翻訳記事・寄稿など  ·  2019/06/03

    SENGによる、ギフテッド児の誤診を防ぐためのパンフレット

     SENGは、ギフテッド、タレンテッド、2Eの人々が知的・身体的・社会的・精神的な目標を成し遂げるため、その助けとなるべく設立されたNPO団体です🌤

     

     Dr.James T.Webb（2018年死去）は、ミシガン州で一人のギフテッドの学生が自殺したことをきっかけに1981年にSENGを設立し、教育、研究、コネクションを通してギフテッドコミュニティの支援と指導に力を尽くしました。適切な知的かつ情緒的なサポートがあれば、ギフテッド、タレンテッド、そして2Eの人々は、自分自身を受け入れ、信じられないような能力を発揮することができます。彼らがその高い感受性とうまく付き合いながら生活し、安定し、幸せで、平和であると感じられること。それは何よりも重要なことだといえるでしょう🌈

     

     ギフテッドが発達障害や精神疾患と誤診されることは、アメリカでもよくあるようです。

     

     今回は、SENGが、ギフテッド児の誤診を防ぐために医師向けに作成したパンフレットを紹介します（現在SENGのHPでは、英語、スペイン語、ドイツ語版が入手できます）。

     

     SENGのHPでは、ギフテッド、タレンテッド、2Eに詳しく、アセスメントができる精神科医のリストも提供されています🏥

     

     

     ※記事の和訳およびHPへの掲載に関して、SENGから許可をいただいております。

     オリジナルサイトはこちらです。

     https://www.sengifted.org/misdiagnosis-initiative

     

     ※和訳に関しては、GRさんの翻訳を許可を得て参考にさせていただきました⭐️

     https://blogs.yahoo.co.jp/gifted_research/28556448.html

     

    ギフテッド児の医学的な誤診を減らすために

     

     ギフテッド、それはエリート気取りの言葉などではない。

     聡明な子どもたちを、チャンスを掴む前に失望させてはならない。

     

     ギフテッドを理解しましょう。

     小児科医の存在は、ギフテッド児の健康な成長と発達の促進のために重要な役割を果たす。

     

     ・ギフテッド児やその親ともっと交流しましょう。

     ・ギフテッドに関する問題への効率的な対処に役立つ、具体的な教育手段を得ましょう。

     ・誤診を減らし、（ギフテッド児への）診療に対する意識を高めましょう。

     ・ギフテッド児とその家族に対する医療ならびに支援の体制を改善しましょう。

     

     

     ギフテッド児は誤診のリスクにさらされている。

     

     ・ギフテッド児はどんな小児医療の現場にもやってくる。

     ・彼らは優れた才能を有しているが、現れ方が複雑で分かりにくい場合がある。そのことが、ギフテッドの判定を困難にしている。

     ・ギフテッド児は支援と理解が不足している場合、ネガティブなコーピングスキル（対処法）を身につけることがある。

     ・典型的なギフテッド児の行動は行動障害に似ている。逆に、何らかの障害が過小評価されたり、見逃されたりすることもある。

     ・そのためギフテッド児は、誤った診断や治療を受けたり、疾患を見過ごされたり、誤解されたりすることがある。

     

     

     早期発見と介入が重要。

     臨床医が意識すべきこと。

     

     ・ギフテッドの性質について、臨床医がきちんとした教育を受けることはほとんどない。

     ・親はわが子の主治医とギフテッドについて話し合う際に、自慢話をしているかのように感じてしまうことがある。

     ・ギフテッドの性質に由来する行動は、医学的な疾患や精神疾患によく似ている場合がある。

     ・ギフテッド児の中には医学的または精神的な課題を抱える者がいる。これを2E（twice -exceptional）という。鑑別診断が困難なこともある。

    臨床的特徴 考えられるギフテッドの特性 誤診されやすい疾患・障害
     活動水準が高い

    学びに対する高い情熱

    体を動かしながら学ぶ

    		ADHD

    衝動性をコントロールできない

    短気

    他者の行動を妨げる

    非同期性発達

    判断力の発達が知能の発達より遅い

    （脳の前頭前皮質の発達がゆるやか）

    		ADHD
    心配性

    理想主義である

    道徳の問題、倫理的な問題、哲学的な問題、宗教的な問題などに対峙してしまう

    不安障害

    抑鬱状態

    大きい音、衣類のタグ、蛍光灯のちらつきなどに敏感すぎる ドンブロフスキーが提唱する「過度激動」

    感覚運動統合障害

    聴覚情報処理障害

    クラスメイトと良い関係が築けない

    型破りのユーモア

    非同期性発達

    変わった興味とそれに対する情熱

    		自閉症スペクトラム

    気が散る

    課題や作業をやりとげない

    学校での勉強をやろうとしない

    白昼夢

    活発な想像力

    知的なチャレンジを欲する性質

    ADHD

    学習障害

    聴覚情報処理障害

    行為障害

    頑固

    切り替えが苦手

    独力で物事を考える

    何事にも高い期待を持つ

    深い興味

    学ぶ意欲が強い

    強迫性パーソナリティ障害

    自閉症スペクトラム

    非常に感情的

    気分屋

    理屈っぽい

    非常に感受性が強い

    激しさを持つ

    非同期性発達

    さらなるチャレンジを欲する

    気分障害

    行為障害

    微細運動の発達の遅れ

    字が汚い

    非同期性発達

    頭の回転に手が追いつかない

    書字障害

    ディスレクシア

    学習障害

    普通ではない睡眠のパターン

    睡眠をあまり必要としない

    学ぶことを中断したくないので眠らない

    悪夢や鮮明な夢を見る

    睡眠障害

    ADHD

    気分障害

    普通ではない食習慣

    学ぶことに忙しすぎて食べない

    特定の食感を嫌う

    食物アレルギー

    摂食障害

    気分障害

    発語の遅れ 非同期性発達
    （他の能力に比して言語能力の発達が遅れている）     		自閉症スペクトラム

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